2022/05/04
言語アプリ有料化の真相
先日お昼休みに行われたOWLの説明会で、「OWL登録はいくらするのか?」と皮肉った学生がいました。これまで無料で使えていたアプリが有料になったのですから、納得できない学生の方も多いかもしれません。もちろん、今回有料となったのは、言語学習アプリのみで、その他のOWLプログラムや課外学習講座は引き続き無料です。目下変更の議論もありません。ではなぜこのような異なる扱いが必要になったか、もう少し詳しく説明しましょう。
OWLプログラムや種々の講座には、参加者の数に関係なく、固定コストがかかります。ですから、(各人への効用が同じとして)利用者が多ければ多いほど、費用対効果は高くなります。もちろん定員制で特に高額な講座の場合に限って言えば、No Show(事前の連絡なく参加しない)やドタキャンをされる方が増えれば、ここでも自己負担額を要求して安易な不参加を抑止することが必要になるかもしれませんが、今のところ皆さんのマナーがよいので、問題になっていません。
一方アプリについては、1ライセンスの単価が決められており、人数分を支払うことになります(正確には、予算内で購入できる最大限の人数に設定していました)。よって、すでにAPPSのところで説明したとおり、安易に途中でやめる人が多く出ると、そのお金はドブに捨てるようなものです。もちろん夏・春休みに利用者の入れ替えをして利用率の向上に務めましたが、それでも平均して半数余りのライセンスがほとんど使われないままになっていました。今年度からの有料化については、担当教員間で議論を尽くし、どのようにすればより有効に財源を使い、また同時に学生の利害を守れるか十分に検討しました。だからこそ、お金を払ってでも真剣にSpeakingを学習したい学生のために、一部価格を教育院で補助し、業者の協力も得て京大向け販売価格を市場価格より大幅に低くし、また困窮学生のための無料履修枠も残したのです。
有料化に反対される学生の中には、このキャンペーンをボイコットによって無料化にひき戻そうと思惑されている方もいるかもしれません。しかし、ボイコットは皆さんにとってさらに悪い状況を招く恐れがあります。すなわち、利用者が少なければ、大学からアプリへの学生の需要はないと見なされ、来年からアプリの予算自体が認められなくなる可能性があるからです。
言語学習アプリは、継続的な利用によって外国語のSpeaking(そして同時にListening)に弱い京大生をサポートできる強力で効果的なツールだと確信しています。もちろん、市場にはほかにも優秀な教材が多数出回っていますので、自由に選ぶことができますが、それの利用も有料(しかも正規価格)ですよね。Speak Buddyは生協吉田ショップで6月末まで販売されていますが、ELSAとBUSUUは申し込みの締め切りが5月10日です。次の募集は、10月になります。
京大生の多くが自信をもって外国語を使えるようになると、留学や学会への積極的な参加、国際研究・議論への露出度/貢献度が増し、最終的に国際化の進んだ京都大学のランキングを高めます。いずれ京大卒業生となる皆さんには、自ら京大ブランド力アップに参与し、回りまわってその恩恵を得られるという式図が容易に予測できると思います。
こうした背景をご理解くださり、教材費として(半年にコンパ一回分前後の)自己投資して、自らの外国語Speaking力強化に取り組もうとするクレバーな京大生が、ポテンシャルとしてまだまだたくさんいらっしゃると確信しています。