Lektion 7

Lektion 7

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動詞の三基本形 弱変化 規則動詞表 強/混合変化 不規則動詞表 分離動詞 非分離動詞 完了時制 現在完了形 seinかhabenか seinと完了形を作る動詞 過去完了形 受動態 受動態の完了形 4格目的語がない場合 状態受動 zu不定詞 語順 付加語 um/ohne/statt+zu不定詞 zu不定詞のその他の用法 時刻 時間 頻度 曜日 練習問題 小テスト

ウォーミングアップ:下線部を埋めなさい。[答え]

  1. nicht_:何も〜ない
    Hier kaufe ich nicht_. わたしはここでは何も買わない
  2. Vors_cht:用心
    Vors_cht! Die Ampel ist rot. 気をつけて! 赤信号です
  3. Ros_:バラ
    Die Ros_n in diesem Park sind wunderbar. この公園の薔薇はすてき
  4. _estehen:合格する
    Ich habe die Prüfung _estanden. わたしは試験に合格した
  5. Gl_is:線路
    Der ICE nach Berlin hält heute an Gl_is 12. ベルリン行きの新幹線は今日は12番ホームに停まる
  6. tri_ken:飲む
    Möchtest du etwas tri_ken? 何か飲みたいですか


1. 動詞の三基本形 2. 完了時制 3. 受動態 4. zu不定詞

ドイツ語は過去形も人称変化し、過去基本形に人称語尾をつける。過去基本形は弱変化動詞の場合は規則的に作られるが、不規則動詞(強変化動詞、混合変化動詞)の場合に規則性はない。1人称と3人称の過去形は過去基本形と同じ形

(1) 弱変化動詞

  • In einem kleinen Dorf lebte ein Mann. とある小さな村にある男が住んでいた
  • Der Mann arbeitete Tag für Tag und machte Fahrräder. その男は来る日も来る日も働き、自転車を作った

規則動詞 (弱変化動詞)
不定詞
...(e)n
過去基本形
...(e)te
過去分詞
ge...(e)t
lernen lernte gelernt (learn)
lieben liebte geliebt (love)
machen machte gemacht (make)
arbeiten arbeitete gearbeitet (work)
wandern wanderte gewandert (wander)
lächeln lächelte gelächelt (smile)

上は弱変化動詞の過去人称変化の表である。
弱変化動詞の場合は、動詞の語幹に-teを加えて過去基本形というものを作り、過去基本形に人称語尾をつけたものが過去人称変化。発音しやすいように -eteを加える動詞(arbeitenなど)もある。


(2) 強変化動詞/混合変化動詞

不規則動詞の三基本形

不定詞、過去基本形、過去分詞は動詞の三基本形と呼ばれる。不規則動詞の場合、過去基本形、過去分詞は文字通り不規則に作られるが、それでも一定の規則性はある。それを以下にまとめておく。よく読み、三基本形を暗記する際の参考にしよう。

  • Plötzlich kamen die Germanen; sie sangen laut, marschierten nach Gallien und griffen die Römer an.
    (突然ゲルマン人が来た。彼らは大きな声で歌い、ガリアへと行進しそしてローマ人たちを攻撃した)

不規則動詞
不定詞
...en
過去基本形 過去分詞
ge...en
fahren fuhr gefahren (drive)
gehen ging gegangen (go)
kommen kam gekommen (come)
schreiben schrieb geschrieben (write)
trinken trank getrunken (drink)
tun tat getan (do)
schlafen schlief geschlafen (sleep)

上は強変化動詞と混合変化動詞の人称変化を示している。
強変化動詞・混合変化動詞の場合、過去基本形は弱変化動詞の場合のように規則的に作られるのではなく、個々の動詞の語幹の母音を変化させて作られる。そしてこれに人称語尾を付け加えたものが過去人称変化となる。


(3) 分離動詞

前綴りは変化しない。基礎動詞の部分のみ変化する。

  • ab|fahren:fuhr ab (fahren - fuhr) 出発する
  • mit|teilen:teilte mit (teilen - teilte) 参加する


(4) 非分離動詞

分離動詞と同様に前綴りは変化しない。基礎動詞の部分のみ変化する。

  • bestehen:bestand (stehen - stand) 存続する、合格する
  • gehören:gehörte (hören - hörte) 属する

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2. 完了時称 1. 動詞の三基本形 3. 受動態 4. zu不定詞

(1) 現在完了形とは

ドイツ語会話では、英語と違って、過去を表すのに現在完了形を用いる。英語の現在完了形は過去を表わすことばとともに用いることができないが、ドイツ語にこのような制限はない。

次の文を見てみよう。gesternは「昨日」で、過去を示すことばだが、現在完了形で用いられる。

  • Was haben Sie gestern gemacht? 昨日何をしましたか
    Ich bin ins Kino gegangen. 映画を観に行きました


(2) 現在完了形は枠構造

ドイツ語では現在完了形を作る助動詞がseinhabenの二つある。また過去分詞は文末におかれる。位置を間違えやすい。
助動詞と過去分詞で枠を作り、その中に他の文成分をはさみ込むわけで、現在完了形は枠構造を作ることになる。

主語 seinまたはhaben 過去分詞
Er ist ins Kino gegangen.
Ich habe im Supermarkt eingekauft.

不定詞句から完了形を説明してみる。
「スーパーで買い物をする」の不定形はim Supermarkt einkaufenで、これを完了の不定形にすると、im Supermarkt eingekauft haben「スーパーで買い物をした」になる。これを「わたし」が主語の文にする。habenは人称変化し、定形の位置におかれ、過去分詞はそのまま文末に残る。

  • Ich habe im Supermarkt eingekauft.

「映画館に行く」なら次のようになる。

不定形:ins Kino gehen
完了の不定形:ins Kino gegangen sein
現在完了形の文:Ich bin ins Kino gegangen.


(3) seinhaben

seinhabenのどちらが助動詞として使われるかは、その文で使われる動詞によって決定される。どちらを使うかはあらかじめ決まっていて、辞書に指示がある。
例えば、machenを辞書でひけば、発音記号の次に[他][h]とか(完了haben)という記載があるはず。
[他]は他動詞であることを、[h]は完了形を作るときにhabenを助動詞として使うことを意味している。

次にgehenを見てみる。発音記号の次に今度は[自][s]とか(完了sein)という記載があるはず。
[自]は自動詞であることを、[s]は完了形を作るときにseinを助動詞として使うことを意味している。

どちらの助動詞を使うのかを見分ける簡単な目安のようなものはないだろうか。
次のように考える。数からいえば、habenと完了形を作る動詞の方が、seinと完了形を作る動詞よりもはるかに多い。4格目的語をとる動詞、つまり他動詞は、habenと完了形を作る。だからまず、seinと完了形を作る動詞を覚え、それ以外はhabenと完了形を作ると考えればよい。


(4) seinと完了形を作る動詞

seinと完了形を作る動詞は三種類のグループに分けられる。

  1. 場所の移動を表す動詞
    • kommen 行く、来る
    • gehen 歩いて行く
    • fahren 乗り物で行く
    • fliegen 飛行機で行く
    • steigen 上る、登る
    • einsteigen 乗車する
    • umsteigen 乗り換える
  2. 状態の変化を表す動詞
    • werden ...になる
    • sterben 死ぬ
    • aufstehen 起きる
    • einschlafen 眠り込む
    • wachsen 成長する
  3. その他
    • sein ある、...である
    • bleiben 留まる
    • begegnen 出会う
    • gelingen 成功する
    • geschehen 起こる
    • passieren 生じる

過去完了:過去時制で表わされている事柄以前に生じたことを表わす。haben/seinの過去人称変化+過去分詞(文末)

  • Als sie kam, war er schon weggegangen. 彼女が来た時、彼はすでに出かけていた
  • Der Anruf kam, nachdem er das Haus verlassen hatte. 彼が家を出た後で、電話がきた

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3. 受動態 1. 動詞の三基本形 2. 完了時称 4. zu不定詞

受動態はwerdenを人称変化したもの+過去分詞(文末)で表わされる。

不規則動詞(この工場でエンジンが製造される/された)
時制 過去分詞
現在 In dieser Fabrik werden Motoren hergestellt.
現在完了 In dieser Fabrik sind Motoren hergestellt worden.
過去 In dieser Fabrik wurden Motoren hergestellt.

※ 現在完了形では完了の助動詞としてseinが使われ、受動態の完了形として、過去分詞+worden(受動文を作る助動詞werdenの過去分詞)で表わされる。

  • Der Lehrer lobt den Schüler. 先生はその生徒を褒める
    (The teacher praises the pupil.)
    Der Schüler wird vom Lehrer gelobt. その生徒は先生に褒められる
    (The pupil is praised by the teacher.)

行為者は通常、von+名詞(vonは3格支配の前置詞)で表わされる。

  • Ein Polizist nimmt den Verbrecher fest. 警官が犯人を逮捕する
    (A policeman arrests the Criminal.)
    Der Verbrecher wird von einem Polizisten festgenommen. 犯人は警官に逮捕される
    (The criminal is arrested by a policeman.)

  • Der Taifun zerstörte viele Häuser. 台風が沢山の家屋を破壊した
    (The typhoon destroyed many houses.)
    Viele Häuser wurden durch den Taifun zerstört. 沢山の家屋が台風によって破壊された
    (Many houses were destroyed by the typhoon.)

受動文で動作主につく前置詞がvonでなく4格支配の前置詞durchになっているが、動作主が無生物の場合にこうなることが多い。

  • Man spricht Deutsch in einem großen Teil der Schweiz. スイスの大部分で人びとはドイツ語を話す
    (They speak German in the most parts of Switzerland.)
    Deutsch wird in einem großen Teil der Schweiz gesprochen. スイスの大部分でドイツ語が話される
    (German is spoken in the most parts of Switzerland.)
  • Man darf hier nicht rauchen. ここで煙草を吸ってはならない
    (One must not (prohibited to) smoke here.)
    Hier darf nicht geraucht werden. ここでは煙草を吸うことが許されない
    (Here you can not smoke.)

    動作主が特定される場合、受動文では省略する。


    4格目的語がない場合

    3格目的語は主語になれない。文頭が空位になり、空位を埋めるesと呼ばれるものを文頭におく。他の文成分が文頭におかれ、空位が埋められる場合、このesは当然省略される。助動詞の人称変化は3人称単数形になる。

    Er hilft ihr. 彼は彼女の手伝いをする
    Es wird ihr (von ihm) geholfen. 彼女は(彼に)手助けをしてもらう
    → Ihr wird (von ihm) geholfen. 彼女は(彼に)手助けをしてもらう

    Man schläft sonntags lange. 日曜はゆっくり寝る
    Es wird sonntags lange geschlafen. 日曜はゆっくり寝る
    → Sonntags wird lange geschlafen. 日曜はゆっくり寝る


    状態受動

    sein+過去分詞で受動文を作る。werdenのかわりにseinを用いると「...されてある」という状態を表わす受動文ができる。

    1. Das Zimmer wird reserviert.(部屋が予約される)
    2. Das Zimmer ist reserviert.(部屋は予約されている)
        1.の文は動作を、2.の文は状態を表わしている。

    このように、seinの人称変化+過去分詞(文末)は状態の受動文を作る。

    • Die Bilbliothek ist schon geschlossen. 図書館はすでに閉まっている
      (The library is already closed.)
    • Das Fenster ist geöffnet. 窓は開いている
      (The window is opened [open].)
    • Das Museum war bereits geschlossen. 博物館はすでに閉まっていた
      (The museum was already closed.)

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    4. zu不定詞 1. 動詞の三基本形 2. 完了時称 3. 受動態

    zuの位置とzu不定詞句の語順

    分離動詞の場合、前綴りと動詞本体の間にzuが置かれ一語で書かれるが、それ以外はzuと不定詞は分けて書かれる。

    • stehen → zu stehen
    • aufstehen → aufzustehen【分離動詞】
    • verstehen → zu verstehen【非分離動詞】

    zu不定詞句の語順は日本語と同じ語順になり、zu不定詞句の最後にzu不定詞が来る。

    • ausländische Briefmarken zu sammeln(外国の切手を集めること)


    (1) 主語として用いられる

    • Ausländische Briefmarken zu sammeln ist sein Hobby. 外国の切手を集めることが彼の趣味です
      = Es ist sein Hobby, ausländische Briefmarken zu sammeln.

    主語としてのzu不定詞句は重苦しい感じになるので、esを形式的な主語として文頭におき、zu不定詞句は文末におかれることが多い。zu不定詞句は原則としてコンマで他の部分と区切られる。ただし、zu不定詞単独の場合は区切られない。


    (2) 動詞の目的語として用いられる

    • Hast du heute Abend schon etwas vor? 今晩もう何か予定していますか
      Ja, ich habe vor, ins Kino zu gehen. ええ、映画を観に行く予定です
    • Er freut sich schon darauf, sie wieder zu sehen. 彼は彼女に再会することを楽しみにしている

    前置詞句が目的語になる場合には、da(dar)+前置詞になる。


    (3) 名詞の付加語として用いられる

    • Hast du Lust, mit mir Tennis zu spielen? 僕と一緒にテニスをする気はありませんか
    • Ich habe keine Zeit, ins Konzert zu gehen. コンサートへ行く暇がない


    (4) 形容詞の付加語として用いられる

    • Bist du schon bereit zu gehen? もう出かける準備はできましたか


    (5) um/ohne/statt+zu 不定詞

    umzu不定詞:「〜するために」

    • Er fährt nach England, um dort Englisch zu lernen. 彼は英語を学ぶために英国へ行く

    ohnezu不定詞:「〜することなしに」

    • Er ging weg, ohne zu grüßen. 挨拶もしないで彼は立ち去った

    statt(anstatt)+zu不定詞:「〜する代わりに」

    • Sie rief mich an, statt mir zu schreiben. 彼女は手紙を書く代わりにわたしに電話した


    (6) その他の用法(これらの用法ではコンマはつかない)

    habenzu不定詞:「...しなければならない」

    • Heute habe ich viel zu tun. 今日はしなければならないことがたくさんある

    brauchenzu不定詞:「...を必要とする」、(否定詞とともに「...する必要はない」)

    • Sie braucht heute nicht zu arbeiten. 彼女は今日は仕事をする必要はない

    scheinenzu不定詞:「...のように思われる」

    • Die Kinder scheinen müde zu sein. その子どもたちは疲れているようにみえる

    seinzu不定詞:「...されうる、されなければならない」

    • Das Buch ist leicht zu lesen. その本は簡単に読める
    • Die Miete ist jeweils im Voraus zu zahlen. 家賃はその都度前もって支払わられなければならない

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    [文法コラム] 時

    (1) 時間の尋ね方と答え方

    • Wie spät ist es? / Wie viel Uhr ist es? 何時ですか
      Es ist fünf nach drei. 3時5分過ぎです

    (2) 時刻の言い方

    24時間制と12時間制がある。交通機関やテレビなどの場合は24時間制が用いられる。日常生活では12時間制が使われる。

    時刻 12時間制 24時間制
    午後7:00 7 Uhr 19 Uhr
    午後7:05 5 nach 7 19 Uhr 5
    午後7:15 Viertel nach 7 19 Uhr 15
    午後7:25 5 vor halb 8 19 Uhr 25
    午後7:30 halb 8 19 Uhr 30
    午後7:35 5 nach halb 8 19 Uhr 35
    午後7:45 Viertel vor 8 19 Uhr 45
    午後7:55 5 vor 8 19 Uhr 55

    12時間制の場合には00分と30分が基準になる。
    それ以前はvorを用いて時刻を表現する。「7時5分前」は„Es ist 5 vor 7.“になる。
    それ以後はnachを用いて時刻を表現する。「7時5分」は„Es ist 5 nach 7.“になる。
    「〜時半」にはhalbを使うが、この時には1時間だけ進むことに注意が必要。「7時半」は„Es ist halb 8.“(8時に向けて半分)になる。
    また、7時25分は7時半の5分前になり、„Es ist 5 vor halb 8.“となる。
    7時35分は7時半の5分過ぎで、„Es ist 5 nach halb 8.“となる。
    24時間制では「〜分前」とか「〜分過ぎ」といった表現は使われない。

    (3) 時刻に関する表現

    「何時に〜しますか」: Wann ...? / Um wie viel Uhr ...?

    • Wann (Um wie viel Uhr) beginnt der Vortrag? その講演は何時に始まるの

    「〜時ちょうどに」: um 〜 (Uhr)

    • Er beginnt um 5 (Uhr). それは5時に始まる

    umgegenにすると「〜ごろ」になる。

    「どれくらい長く〜」: Wie lange ...?

    • Wie lange dauert der Film? その映画はどれくらい時間がかかるの
      Er dauert eine halbe Stunde(30分)/ eine Stunde(1時間)/ eineinhalb Stunden(1時間半)/ zwei Stunden(2時間).

    「何回」: Wie oft ...?

    • Wie oft im Monat gehst du ins Kino? 月に何回映画を観に行くの

    (4) 曜日の名前

    • Welchen Tag haben wir heute? 今日は何曜日ですか
      Heute ist Freitag. 今日は金曜日です

    月曜 Montag
    火曜 Dienstag
    水曜 Mittwoch
    木曜 Donnerstag
    金曜 Freitag
    土曜 Samstag / Sonnabend
    日曜 Sonntag

    (5) 月の名前

    1月 Januar
    2月 Februar
    3月 März
    4月 April
    5月 Mai
    6月 Juni
    7月 Juli
    8月 August
    9月 September
    10月 Oktober
    11月 November
    12月 Dezember

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